上から来ました
はぐりんの偵察によると、近くに家があるとのことだった。
私たちは、その家に向かうことにした。
人間が住んでいれば、いいんだけれど・・・・
よかったぁ・・・・・
やっぱり、この世界にも人はまだいるんだ。
ということは、まだ完全にゾーマの手に落ちたわけじゃないんだ。
そう考えると希望がでてきた。
少しの希望があれば、それにかける。
絶対にあきらめない。
私からその人に声をかけようと思ったら
あっちから声をかけてきた。
「あれ?
あんた、どうやってここにきなすった?」
「あ・・・・・あの、はじめまして。
どこから来たというとちょっと困るんですけれど・・・・
ええと・・・・・上から来ました」
我ながら、なんてへんてこりんな答えしかできなかったんだろう。
「うえ?」
「え、えっと、きっと信じてもらえないとは思うんですけれど
私、ここの世界の人間じゃないんです。
違う世界の人間で・・・」
人間、突然質問をされると答えられないものだ。
ふえぇ〜〜ん、こんなこといったら
どう考えたって怪しい人間にしかみえないもん〜
私がどうやって弁解しようか考えていると
「ははぁ〜ん、そういうことか。
そういえば、じいさまに聞いたことあるなぁ。
このアレフガルドとはまた別の世界があって、
大魔王ゾーマが来るまでは、つながっていたらしいだけれど、
もしかしたら、そこからきなすったのか」
「大魔王ゾーマ!」
「ど、どうなさった!」
「あ、ご、ごめんなさい・・・・
ちょっとびっくりしちゃって・・・・」
「あっちの世界でも、ゾーマは悪さしているんかい。
まぁ、仕方ないだろうなぁ。
もうやつを止めることは誰もできやしないさ」
やはり、こちらの世界でも、ゾーマは
私たちの世界でバラモスと同じ、力による支配を
うけているようなのは確かなようだ。
今、私に足りないのは、情報だ。
私はこの世界のことを何もしらない。
ただ、わかったことは、この世界は「アレフガルド」ということだけだ。
とりあえず、この場は、いろいろな情報を聞きたい。
「あの、この世界には、他にも人は住んでいるのでしょうか?」
「あ?
あぁ、もちろん、住んでるとも。
魔物にびくびくとしてだがな。
しかし、いつ殺されるかわかりゃしない。
町にいけば、いつ襲撃にあうかわからない。
だから、私はこの誰もいないところで暮らしているのさ。」
「そうなんですか。
あの、町はここから、近いんでしょうか?」
「あぁ、ちかいさ。
ちょっと海を越えなければいけないが、
東に向かうと、ラダトームという城下町があり、
アレフガルド一番の大都市だ。
もし、町にいくんなら、ぼろい船だが、余っているのがあるからやろう。
大海原をいくのはとても無理だが、すぐ近くのラダトームの海岸に行くまでなら
充分だろう」
「ありがとうございます!」
私はその人の行為に素直に甘えることにした。
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