浅はかな考え
アレフガルド一のラダトームに向かうことにした。
きっと、ここではゾーマに関するいろいろな情報が得られるに違いない。
魔法力を全快して、アレフガルドに来て、
たとえ近いとはいえ、一人で、海をこえて、
別の大陸に来たのだから、心身ともに疲れ切っていた。
多少魔物は襲ってきはしたが、
スライムと、その変種の赤いスライム
(はぐりんに後で聞いたところ、スライムベスというらしい)
くらいだったので、あしらう程度で、
私たちはラダトームについた。
城下町に入る。
大魔王に脅かされるとはいえ、町の中は意外に賑やかだ。
さて・・・・・・・
着いたはいいが、どうしようか?
やはり、お城に入るべきだとは思うのだが、
しかし、そう簡単には入れないかもしれない。
あっちの世界では父さんの名前が行き渡っていたから
その娘というだけで、お城にも入れたし、
王様も会ってくれたこともあるけれど、
こちらでは、一人の名のない少女だからね。
たとえ、強そうな武装をしていても
お城の中に入れないかもしれないね。
まして、ゾーマを倒しに来たっていっても
信じてもらえそうにないし・・・・・
う〜ん・・・・・
どうしよう・・・・・
ん?
だったら、一人の街娘を装って、
お城に入るのはどうだろう?
王様には会えないだろうが、
しかし、街で得られない情報が得られるかも知れない。
食事を作るお手伝いさんみたいになって
忍び込むのだ。
へへへ・・・・・・
我ながら、良い案だ。
とりあえず、まず宿をとろう。
それで、一休みしたあと、
きれいに着飾って、ちょっとお洋服でもかって
おしゃれして・・・・
おっとっと・・・・私は何をうかれているんだ。
ロマリアで変装に味をしめて、
ちょっとうれしくなってしまった。
あくまで目的は情報集めだ。
街で情報集めをして、そのあと服を買い、
そのあと、城へお手伝いさんを装って忍び込む。
う〜ん、なんて我ながら完璧なプランなんだろう。
(どこが完璧なんだか・・・・・)
ん?
なんか、言った?
(いえ、別に何にも申しておりません)
そう?
では、宿へ、let's go!
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