【第185話】

錆びた扉


皿洗い、掃除、洗濯、ラダトーム城で働く私。

毎日、本当によく働くもので、図書館に行く暇もできなかった。

そんな日が一週間続いた。


今日も私は、台所で料理を作ってる。

本当なら、すぐにやめても良かったんだけれど、

ここで働くと、人のいろいろな側面が見えてくる。

 

毎日、魔王軍との戦により、傷つく兵士、それを看護する人、

人にはみんな役割分担があり、人手が足りなく、毎日一生懸命働いている。

 

もちろん・・・・・大元をただせば・・・・ゾーマを倒せば、

こういうこともなくなるのだと思う。

 

しかし、あまりの人の足らなさに、

今、私はこれをやらねければ・・・・という概念にとらわれ、

1週間もここで、働いてしまった。

 

さて、今、大きなお鍋でスープを作っていたのだが

料理の味付けをみてみると、ちょっと味が薄い。

それに、なんか、材料が少ない。

干し肉か何かがあればいいんだけれど。

 

台所には、今、私しかいないので、

誰に何がどこにあるかということが聞けず、

料理の材料を台所の中を探す。

 

結構、この台所がひろく、まだ見ていない部屋もあり、

食料貯蔵庫がどこかにあるはずよね。


「わぁ・・・・・・すごい瓶の数・・・・・・・・」

 

食料貯蔵庫を見つけたのだが、

なにせ、城の食料貯蔵庫だけあって膨大な量だ。

 

きっとこの中なら、干し肉や乾燥野菜など、

スープの材料に適したものがあるだろう。

いろいろな瓶をどかして、奥の方まで材料を見る。

 

壁際にある、何個か瓶をどかしていると

 

「これは・・・・・・・・・・・」

 

そこには何年もあけられていないような

錆びた扉があった。


第186話 魔法の灯火

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