一月五日

陸地が見えたが、戦闘中に流されて少し後退した。つくのはあしたになる。
いつのまにか日付が一日ずれていたと思っていたら、日付変更線というものを越 えていたらしい。いつ越えたのか気がつかなかったといったら、わしだって分か らん、と船長。
一月六日

昼食後、船と別れた。いまは、山脈のふもとにあるという宿屋に向かっている。 ビアンカの人気は思ったより大変なものだった。贈り物を持った連中が甲板にず らりと並んでいた。人妻なのに。

「船長にはめいわくをかけましたね」、というと、「おかげでいろいろまわって めずらしい物産を仕入れました」とのこと。費用はルドマンさん持ちで、儲けは 船長のふところへ。さすが。

ポートセルミで僕のことを待っていてくれるらしい。ルーラを唱えられるように なったのが2、3人入って、文字どおりいつでも飛んできますよ、とのこと。 みんな帽子を振ってお別れしてくれた。

 

次のページへ
表紙へ
パステル・ミディリンのトップページに戻ります