【第145話】
海鮮鍋+アルコール=チェルト壊
ラーミアにのり、空からの景色を眺めていた。
海を渡り、大陸が見えた、
そこはミリー達がいる海賊のアジトの近くだった。
私はラーミアを着地させ、徒歩でミリーの海賊ののアジトへ向かった
海賊のみんなは私を覚えていてくれて、快く迎えてくれた。
もちろん、ミリーも元気ですぐに宴会を催してくれた。
そう、”宴”ではなく、”宴会”
料理は海の魚や貝、海草などをふんだんに取り入れた、海鮮鍋。
豪快である。
それをうつわによそってもらい、ミリーと私は地面にあぐらをかいて
海賊宴会の中心で食べながら盛りあがっていた。
お城の宴会もいいけれど、
私はあういうかしこまったものより、
こういうお祭り騒ぎの方が好きだったからすごく楽しい。
ミリーとも、くだらない話で盛り上がった。
「やっぱり、すごいよ、チェルト」
「ん? なにがぁ?」
「いろいろ」
「いろいろぉ?」
周りの海賊は、陽気に踊り出しているものもいる。
「本当に自覚があるのかなぁ」
「何がよぉ〜」
「あんたって、普段こう話すと、ノホホンとしているというか
ぼぉ〜っとしているというか、勇者らしいと思わないんだけれど」
「それって、誉めているのぉ?」
私の方では、すっかりできあがっちゃっている。
「なんだかんだいってバラモス倒しちゃったもんねぇ」
「そりゃ、どうせ、私はおとこっぽいしぃ〜
かわいくないしぃぃ〜〜
でもねぇ〜、こんな私だって、いろいろ悩みがあるんだよぉ〜」
う〜ん・・・・・・・
アルコールがまわっているせいか、
自分でも何を言っているのかよくわからない。
頭がぼぉ〜っとするよぉ・・・・・・・
「いや、だから、私がいいたいことは、あんたって
本当にすごいなってこと」
「またまたぁ〜
そんなこといっても、何にもあげないよぉ〜〜だ」
私はミリーの肩をぺしぺしたたきながら、
海鮮鍋をおかわりした。
逆にミリーの方はあれだけ飲んでいるのに
何ともない顔。
ミリーはため息をついている。
私にあきれているのだろうが、気がつかないふりをしてやった。
久々親友に会った、このハイな気持ちはとても押さえられなかった。
第146話 視点の高さ
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